『神は沈黙せず』(山本弘)
元グループSNEの初期メンバーにしてディードリットの中の人。
個人的には『サイバーナイト』のノベライズにおける科学考証が一番印象に残るラノベ作家。
最近では「と学会」会長として有名な山本弘の本格SF小説が文庫化されてました。
これまた単行本が出た当時から興味は持っていたものの、ハードカバーを敬遠していたクチであります。
神は存在するのか、神の意思とは、な〜んて書くとオカルトっぽく見えてしまいますが、人工知能や遺伝的アルゴリズムを絡め、驚くほどまっとうなSFに仕上がっています。
現実という認識が揺らぐ感覚はグレッグ・イーガンの諸作品に通じるものがありますが、イーガンほどドラスティックなアクロバットは見せませんので、SF読みの諸氏には少々物足りないかもしれません。(逆にハードSFを敬遠される向きでも読みやすいのではないでしょうか)
現代の日本(特にネット社会)の描写は非常に説得力があり、著者本人も相当苦労したんだなぁ、と妙な感想を持ったり持たなかったり。
- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11
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