電柱日報

日々の由無し事

シリーズモノ2冊

水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)

水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)

実は先月のうちに買っていたんですが、そいえば一度も触れていませんでしたねぇ。
反政府闘争を行っている以上当然ではあるのですが、政府軍との戦いで徐々に人材が失われ始めました。
原作が108星揃い踏みを転機に、それまでの快進撃から打って変わって一気に瓦解していったのに比べると、こちらは腐敗したと言えども正規軍は強力であり、本格的に対峙していない現在ですらある種悲壮な雰囲気が漂っております。
そんな中、早々に欠けた楊志という大きすぎる指揮官に代わり、官軍の名将秦明将軍が加わりました。
原作では「軍人としての本分に従い官軍に戻ろうとしたトコロに濡れ衣を着せられ、にっちもさっちも行かない状況に追い込まれた挙句に半ばなし崩し的に梁山泊の仲間に引っ張り込まれる」というおよそ正義の味方がやっちゃダメな手段ワースト3には入りそうな悪辣な策で仲間入りを果たした秦明将軍ですが、北方版ではこの下りも原作のエピソードのエッセンスを残しつつ、後味が悪くならない演出になっておりますよ。
主人公側があまり悪辣な集団だと感情移入もしにくいですからねぇ。
大安定で続きが楽しみです。
刀語 第四話 薄刀・針 (講談社BOX)

刀語 第四話 薄刀・針 (講談社BOX)

こちらは年度始めのドタバタが忙しく、月初めの発売をすっかり忘れておりました12ヶ月連続刊行の4冊目。
序章で一度限りの禁じ手行使!と有りましたが、まさに掟破りの大技大炸裂!!
中盤で有る程度予想はできましたが、あそこまで徹底してやられるとは……。
もう脱帽です。
有る意味、西尾維新らしいと言えばらしい展開ではありましたが、それだけにこの巻で投げ出す読者も多そうですね。
逆に、この巻を楽しめちゃった人はもう「12月まで継続決定!!」みたいな。
当然自分は後者であります。