電柱日報

日々の由無し事

『水滸伝 嵐翠の章』(北方謙三)

北方水滸伝もついに折り返し点に到達。
夜遅く帰ってはチビチビと読み進めてましたが、ようやく読了いたしました。
大きな戦で官軍を破り、梁山泊の規模も徐々に大きくなってきましたが、大きくなった事による弊害をしっかりと表現するのがさすが北方謙三といった感じ。
晁蓋宋江の認識のズレはいずれ大きな悲劇を招きそうな予感がしますし、柴進に対する楊林のわだかまりなども、一枚岩には成り得ない難しさがにじみ出てますね。
とまぁ、真面目な事を書いてますが、この巻の一番の見所は公孫勝林冲に対するツンデレっぷりじゃないでしょうかね。
これまでアレだけツンツンしておきながら、林冲が気になって仕事にかこつけて助けに行った挙句、顔を合わせば「お前のせいで仕事が滞った」とか憎まれ口をたたく辺りホンモノですな。
腐女子の方々ならご飯3杯は行けちゃうんじゃないかと。

水滸伝 9 嵐翠の章 (集英社文庫 き- 3-52)

水滸伝 9 嵐翠の章 (集英社文庫 き- 3-52)