電柱日報

日々の由無し事

『トンデモ本?違う、SFだ!』

SF作家で、と学会の会長で、元(今も?)ローディストで、ディードリットの中の人である著者が、独自の基準で選別したSFを年代別に紹介しています。
一通り呼んでみた感じでは、(おそらくワザとやってるのでしょうが)「この面白さがわからなければSFファン失格」的な表現が多いのがやや鼻につきます。
とは言え、なかなか露出する機会の少ないマイナーな作品も多く紹介されていますし、上記の(悪く言えば)押し付けがましささえ気にならなければ、SF好きにとっては新しい作品に触れる良いキッカケになるのではないでしょうか。
個人的には、SFってちょっと小難しそう、と感じている人にも読んでもらいたいですね。
それにしても、さすがに1900年代前半の作品は『レンズマン』シリーズくらいしか読んでませでしたが、1950年代以降の紹介作品は結構読んだことありましたねぇ。
ちなみに、個人的なお気に入り作家はグレッグ・イーガンや、(初期の)J.P.ホーガンなど。この両者以外の作品では『竜の卵』(ロバート・L・フォーワード)とか、『タイムリープ あしたはきのう』(高畑京一郎)、『サムライレンズマン』(古橋秀之)辺り。
この本で是非読んでみたくなったのは、『あるいは牡蠣でいっぱいの海』(エイブラム・デビットスン)、『暗黒太陽の浮気娘』(シャーリン・マクラム)。
なんにしても、TRPGのネタをSFから引っ張ることの多い人間としては、紹介文を読んだだけでもシナリオフックが幾つか浮かんでくるという、非常にありがたい一冊でした。

トンデモ本?違う、SFだ!

トンデモ本?違う、SFだ!