電柱日報

日々の由無し事

『アリアンロッド・リプレイ2 闇色の血の騎士』(菊池たけし/F.A.R.E.)

アリアンロッドRPG』のりプレイ第2段。前作と同じPC(+新規1)による続き物になっています。
読み物としては相変わらず笑える内容になっていますが、それだけでなくTRPG初心者へのフォローに非常に力を入れている*1と感じます。
リプレイの「あとがき」でゲームマスターが想定していた当初のシナリオを開示し、実際のプレイでどのように変化したのかを紹介するという企画はその最たる例ではないかと。
TRPGGMをしていると、必ず自分が考えたシナリオで想定されていないプレイヤーの行動に出くわします。その結果セッションがグダグダになってしまう事も多く、どうしたら売られているリプレイの様な盛り上がるセッションができるのか、もしかしたら自分はGMに向いてないのではないかと悩んでしまう人も多いようです。
リプレイから入った初心者GMにとっては、プロの(?)GMでも、プレイヤーの行動をすべて想定できている訳ではない、という事で安心できますし、そうしたアクシデントをどのように補正したかを知ることで自分のマスタリングの参考にすることもできます。
その他にも、ゲームマスター(GM)のセッションハンドリングについて言及しているルールブックは多いですが、セッションに参加するプレイヤーとしての心構えを丁寧に説明したのは、私が知る限り『アリアンロッド』の上級ルールだけではないでしょうか。
思えば、こうした初心者向けの具体的なドキュメントって、商業作品では今まで無かったんですよね。TRPG冬の時代と呼ばれて久しいですが、こうした流れで新規プレイヤーが増えてくれると良いなぁと。

アリアンロッド・リプレイ(2) 闇色の血の騎士 (富士見ドラゴンブック)

アリアンロッド・リプレイ(2) 闇色の血の騎士 (富士見ドラゴンブック)

*1:このリプレイだけに留まらず『アリアンロッドRPG』という作品全体としての傾向ですが