電柱日報

日々の由無し事

『All You Need Is Kill』

表紙絵と時間モノっぽい裏表紙の紹介を読んで何となく購入しましたが、珍しく当たりだったようです。
『宇宙の戦士』のパワードスーツを髣髴とさせるジャケット部隊、SFでちょこちょこ見かけるバーサーカー(殺戮機械)のようなギタイという敵の存在、繰り返される時間、とSFを読んでれば一度はお目にかかったことがありそうなネタを、うまく料理して独特の味付けがされているのではないかと。
しかし、救いようが無いっちゃぁとことん救いようの無いお話ですね。主人公であるキリヤ・ケイジにしろ、ヒロイン(?)であるリタ・ヴラタスキにしろ。
特にリタのすごした日々を想像するに、いたたまれない気持ちで一杯になります。
最後にキリヤがなんとか前向き(というより前のめり)な生き方を選択していますが、その後のキリヤのすごす日々もまた……。
ハッピーエンド至上主義の自分には鬱展開では在りますが、その点を差し引いても色々とインスピレーションを刺激してくれる良い作品でした。

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)