電柱日報

日々の由無し事

『斗宿星』

蒼天航路』に始まり北方謙三の『三国志』を経て、すっかり古代中国史モノというジャンルにハマリ込み、司馬遼太郎の『項羽と劉邦』などのを読み漁っております。
時は春秋時代から戦国時代へとの転換期、「呉越同舟」の呉と越がやり合っていたり、儒教の祖孔子が各地を巡っていたりと非常に興味深い時代。かつて陳から斉へ亡命した田氏の一族が権謀術数を駆使して斉国内で影響力を伸ばし、斉国の実権を握り後に斉国の主となる礎を築いた田乞/田常親子にスポットを当てて描いています。
田乞/田常にしても(もちろん悪党という訳では在りませんが)必ずしも清廉潔白な人物ではなく、必要と在らば幼い主君を殺めたり、兄弟肉親であっても時には粛清の対象とするような冷酷な部分も見えてきますが、案外歴史ってのはこうした強さを持った人物によって作られていくんだろうなぁという気がいたします。