電柱日報

日々の由無し事

『アナザー・コード』総評

難易度的には、この手のパズル解決式のアドベンチャーゲームの経験があれば、とりあえずクリアする上では特に詰まる様な場所も無いのではないかと思います。
しかし、クリアには直接関係無いものの、バックストーリーを保管する上で必要なイベントでは、とんでもない発想の転換を迫る物がありました。
つーか、「ここまでやっちゃったら、もうこの先新しい手法は出てこないんじゃね?」と思えるほど、それほどにDSの(機能だけに留まらない)仕様を活かし切った謎解きはすばらしいモノだったかと。
ストーリー面では、過去のブラッドエドワード島の事件も現代のアナザーを巡る謎もしっかり描かれていましたが、あまりひねりも無くあっさり終わった印象です。まぁ、DSのメイン購買層を考えれば、さすがに『J.B.ハロルド』シリーズばりの複雑に絡み合った人間関係を展開するわけにも行かなかったんでしょうねぇ。
唯一不満な点を挙げるとすれば、圧倒的なボリューム不足でしょうか。
初プレイが5時間強で終わってしまいましたし、2周目以降は一部テキストに変化があるとは言え、その内容はバックストーリーの補完をする類の物で、ノベルゲームのようにシナリオが分岐する事もありませんので、繰り返し遊ぶのは辛い内容になってしまっています。
という事で、最終的な評価は「DSのゲーム機としての可能性を垣間見せてくれた良作」といった辺りに落ち着きそうな感じかなと。
次があるのであれば、是非とも昔の『J.B.ハロルド』シリーズファンが遊びつくせるような作品を期待したいですね〜。