電柱日報

日々の由無し事

グリッド

グリッドといいますと、非常に多くのコンピュータを相互接続して、巨大な並列計算機として動かす技術のことです。同じような技術にクラスタという物がありますが、正直どう違うのか正確にはわかりません。
実は地域のグリッド研究会に参加しておりまして、本日は年度の最終研究会と打ち上げの宴会でした。
まぁ、基本的に埒も無い話に終始したのですが、「グリッドは今後どうなるか」という話題の中で出たのが、「ゲーム機の大規模計算分野への活用」という視点。
次世代X-BOXの計算性能は1[TFlops(テラフロップス:1秒間に1兆回の計算が可能)]だそうです。PS2の計算能力が6.2[GFlops(ギガフロップス:1秒間に10 億回の計算が可能)]だそうですから、(単純に数字だけを比べることは出来ませんが)100倍以上の性能です。
PS2ですら発表当初は「余りに計算性能が高いためにスーパーコンピュータの輸出規制に引っかかるのではないか?」(当時は5GFlops以上がスパコン扱いでした)と言われていた訳で、この次世代X-BOXの計算性能は驚異的な数字です。(4年前に入れたうちの職場で一番早い計算機は24GFlops)
また、PS3(仮)はCellという技術を採用しており、要するに一台一台のPS3(仮)がグリッドのユニットとして相互に連携して計算を行うという機能を持っています。Cellの1ユニットが大体200〜250[Gflops]前後だそうですので、ネットワークの遅延があるとは言え10台つながればTFlops級の性能は出てしまいそうです。
ちなみに、日本が誇る「地球シミュレータ」は、体育館の様な巨大な建物の中に業務用冷蔵庫の様な巨大な筐体がびっしり並んでいるような代物で、空調その他も含めると電気代だけで年間数千万円という経費がかかっているのですが、その性能が40[TFlops]です。
PS2の累計出荷台数が昨年9月時点で7300万台だそうですので、現時点で7500万台は堅いでしょう。もし、PS3(仮)がPS2並みに売れたとすると、そのうちの1%が計算に参加しただけで150[PFlops(ペタフロップス:1秒間に1000兆回の計算が可能)]、「地球シミュレータ」の実に3750倍の計算性能を発揮する(あくまで計算の上では)ことになるんですよ。
「10年後のグリッド業界はSCEの一人勝ちかもナー」と、まぁ酒の席の与太話ですけど。