電柱日報

日々の由無し事

『アグレッサー・シクス』(ウィル・マッカーシー)

現在の軍組織にも仮想敵国の戦術/戦略を研究するために自ら仮想敵軍として振舞う「アグレッサー」と呼ばれる部隊が存在します。
冷戦中の米空軍では、当時のミグ戦闘機に性能の近いタイガー戦闘機を用い、部隊構成から生活様式までロシア式を徹底した「アグレッサー」部隊が存在したとか。
本書の舞台は西暦3300年代。圧倒的な技術力を持ち、4つの性の6名が1つの行動ユニットを構成する異性人「ウェスター」。
文化も、言葉も、可視光の波長域すら異なるウェスターとして、絶望的な戦争解決の糸口を探る「アグレッサー」6人の物語です。
宇宙戦争物というと些か陳腐な印象を受けるかもしれませんが、ドンパチよりも異文化とのファーストコンタクト的色合いが強く一味変わった作品になってますよ。

アグレッサー・シックス (ハヤカワSF)

アグレッサー・シックス (ハヤカワSF)