電柱日報

日々の由無し事

『QED 御霊将門』(高田崇史)

ミステリーの形態を取って入るものの、起こる事件の解決よりも歴史薀蓄に興味が行ってしまうQEDシリーズの最新刊。
メインの(?)歴史ネタは平将門。日本の史上三大悪人だとか、切られた首が京から関東へ飛んで戻ったとか、とんでもない逸話のあるお方です。
歴史が常に勝者の側によって書かれる事を前提に見直してみれば、歴史の中に埋もれた真実が見える、というこのシリーズに共通する手法で、一般的に広まっている平将門像が徐々に否定されていく様子は相変わらず面白いですねぇ。
予断ですが、この巻では、遂に事件らしい事件が起こらないまま*11冊終わってしまいました。コレはコレでいっそ清々しい気もします。

QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)

QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)

*1:殺人事件など欠片も登場せず、強いて言えばストーカー行為(しかも未遂)が有った程度