電柱日報

日々の由無し事

『水滸伝 曙光の章』(北方謙三)

三国志』で新たな歴史の切り口を見せてくれた北方謙三御大による『水滸伝』が遂に文庫化。
さすがに全19巻をハードカバーで集めるだけの勇気がなかったんですが、これでまた北方ワールドに突入できるってモンです。
北方流の再構成がされたとは言え「正史」と呼ばれる歴史の流れがあり、そこから大きく離れる事はなかった『三国志』に対し、もともとフィクションである『水滸伝』では、物語の根幹に近い部分まで大鉈が振るわれています。
天罡星筆頭として梁山泊のリーダーといわれながら、原作ではただの人がいいアンチャンな宋江にしても、荒くれ者を惹き付け国家と戦うに足る人物として描かれていますし、一軍をなす梁山泊の資金的な裏づけや、山塞に集まる人同士の結びつきが丁寧に描かれていきます。
1〜2巻辺りは一部立ち読みしている部分もありますが、じっくりと読み返して観たいと思いう次第。
2巻が11月20日発売なところをみると、月一刊行っぽいですねぇ。
続きが楽しみだ……。

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)