『鼻行類』
かつて、太平洋に浮かぶハイアイアイ群島に、鼻行類(別名ハナアルキ)という一群の生物が居たという。
哺乳類のかなり早い段階で枝分かれしたそれらは、進化のリソースをすべて鼻につぎ込んだような生き物で、あるモノは鼻で歩き、またあるモノものは鼻で獲物を捕え、鼻で地中を掘り進み、鼻で空を飛ぶ。
残念ながら、ビキニ諸島で行われた核実験により、ハナアルキたちはその棲家たるハイアイアイ群島と共に海中に沈んだが、その興味深い生態を一冊にまとめた本……という触れ込みのフィクションです。
「動物」という言葉から受けるイメージとは一線を画すビジュアルと、その姿形から生態まで、詳細に記された記述が相まって、「もしかすると、ハナアルキは本当に居たんじゃないだろうか」と思わせてくれる不思議な本です。
昔、実家で大判のハードカバーを読んだことがありましたが、手ごろなサイズで再販されているのを見てAmazonさんで購入。
オススメ。
鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 (平凡社ライブラリー)
- 作者: ハラルトシュテュンプケ,Harard Stumpke,日高敏隆,羽田節子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1999/05
- メディア: 新書
- 購入: 8人 クリック: 232回
- この商品を含むブログ (114件) を見る